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ブラック病院に注意!医師求人の見分け方

2017年5月9日

最近何かと話題のブラック企業、ブラック病院という言葉も


「ブラック企業」
という言葉が日本で使われるようになり久しいですが、SNSをはじめとしたインターネットサービスの普及により、ブラック企業が明るみに出る頻度や速度が増すと同時に、世間の風当たりも日に日に増している状態です。
医師も他人事ではないでしょう。
企業に勤める医師だけではなく、病院やクリニックなどへの転職あるいは就職を検討している医師も、ブラックな組織には十分に注意しなければなりません。

まだ一般的に広く使われてはいませんが、「ブラック病院」という言葉も実際に出てきています。
これは患者側からすれば、

  • まともな診療を提供してくれない
  • 医療ミスが多い
  • 院内に清潔感や活気などが見られない

という意味合いで用いられることが多いものの、転職・就職を希望する医師にとっては、ブラック企業と同様の意味を持ち、つまり、労働環境や衛生環境などに問題がある病院やクリニックの存在を示唆するものとなっているのです。

ブラック病院の定義は様々ですが、まず第一に、長時間労働が当たり前のようになっている医療機関がこう呼ばれる前提となっています。

ブラック企業と同様に残業時間が極端に多く、当直明けに日勤を課す病院も少なくはないでしょう。

  • 残業がある
  • 当直明けに日勤で働くことがある

これだけでブラック病院であると定義付けることは難しいです。
しかしそれが常態化し、1人の医師の負担が過剰に大きくなってしまっている医療機関である場合、ブラックに近いグレーな病院であると指摘されても仕方がないのかもしれません。

また、

  • ミスや問題が生じた際に隠蔽する体質を持つ病院やクリニック
  • 診療報酬を騙し取っている医療機関
  • 法や条例に違反している状態の病院及びクリニック

などといった医療機関もこれに該当するでしょう。

残業の多さとともに、休みが取得できない状態になっている医療機関も、現在では十分にブラック病院であると断定されてしまう、そんな傾向・風潮が強まってきています。
当然、パワハラの横行している病院なども例外ではありません。

ブラック病院への転職を避けるのに必要なこと、それは、まずこの存在を認知することです
ブラック企業と同様に世の中には残念ながら多くのブラック病院が存在しているため、それを認識した上で求人のチェックや医療機関の比較、リサーチなど情報収集及び分析を徹底し、転職活動を行わなければいけません。

医師の労働環境は問題視されてこなかったという事実


ブラック企業が騒がれ始めたのは、ごくごく最近のことでしょう。
冒頭でも触れたように、インターネットの普及がなければ、ブラック企業に勤めたことで自殺してしまった人が表沙汰になったとしても、ここまで問題が大きく且つ長く尾を引くことはなかったと考えられます。

医師の働き方についても同様です。
医師の労働環境は以前から考え直さなければならないほど過酷なものであり、しかし、それが世の中に知れ渡ることはあまりありませんでした。
テレビや新聞で報道されても、それはごくごく一部に止まるため世論を動かすには至らず、医師の労働環境が問題視されてこない時代が続いていたのです。

ところが、インターネットの普及により、医師自身が過酷な労働環境を世間一般に広く暴露するとともに、ブラック企業の問題も相まり、また、現代では急速に働く人を保護する風潮が高まってきたため、途端に医師の労働環境の過酷さが広く知られるに至っています
まだまだほんの一部ではあるかもしれませんが、少しずつ医師の働き方が明るみになることは、日本社会にとっても有意義であると考えられるでしょう。

そもそも日本社会そのものにも問題の根源があると指摘されています。
日本人は働くことを正義とし、残業するのが当たり前だという考え方をそもそも持っている傾向が強い。

それが医師であれば、「人の命を助ける立場の人間が、休みたいなどと言ってはいけない」という思いが世間一般の人の中に広がっていたことは否定できないでしょう。
聖職者と称される教師も同様の立場だったかもしれません。

また、医師は何かと内向きになりがちです。
学会や研究会などに赴けば外部の医療従事者ともコミュニケーションを図る機会が得られるものの、そこでブラック病院などというものの存在を話題に上げる医師はほとんどいません。
自らの働き方が当たり前であると考える医師も少なくなく、それがブラック病院で働いているという認識を遅らせる原因の一つになっていたことは確かなのではないでしょうか

もちろん、これらは間違った認識であり風潮です。
医師も人間であり、ブラック病院で働き続ければ心身ともに疲弊し、状態が悪化すれば医療ミスを起こす可能性が高まるとともに、過労死という最悪の事態も招きかねないのです。

少しずつ医師の過酷な労働環境や勤務状況が明るみに出ていることは医療業界を変える意味でも有意義なことではあります。
医師一人一人が高い意識を持ち転職・就職活動を行うことが、こうした最悪の事態を避けることに繋がると考えるべきでしょう

医師求人からブラック病院を見分ける方法


「ブラック病院は存在する」
ということを強く認識すること、これがブラックな体質を持つ医療施設への転職や就職を避けるための最初のステップではありますが、医師求人をチェックする際にもあらゆるところに目を光らせ、それを自ら防いでいかなければいけません。

ここでは、医師求人からわかるブラック病院の特徴とそれを見分ける方法について、いくつかピックアップしつつ説明していきます。

1. 長期間もしくは頻繁に医師の募集をかけている病院には要注意


ブラック病院や、それに該当すると言っても差し支えないグレーな医療機関の求人は、「頻繁に見かける」という特徴を持っています。

医師が求人サイトなどを活用し医療機関を探す際、様々な求人を目にするはずですが、いつチェックしても見かける医療機関があれば、十分に注意してからコンタクトを取るなり応募するなりすべきでしょう
あるいは、応募することそのものを避けることをお勧めします。

通常、求人を出せば、数日以内に少なくとも数人程度の応募があると考えられます。
数週間もすれば更に増加した応募者の中から採用者を決定する医療機関が多く、その時点で募集の終了が告げられることになるでしょう。

にもかかわらず、数週間どころか1ヶ月や2ヶ月を超えても尚募集が続いている医療機関は、ブラック病院であるがゆえに、医師が十分に集まらず、もしくは、採用が決定したとしても退職する医師が出てきてしまうため、常に求人を出しておかなければ人材を十分に確保できない状態に陥っていると考えられます。

一旦募集を打ち切ったものの、すぐに新たに医師募集の求人を出す医療機関も同様です
離職率が高く長期で医師を確保し続けることが困難なため、頻繁に募集を出す必要があると考えるのが妥当でしょう。

それはつまり、過酷な労働環境を強いている可能性が高いと判断でき、断定することは困難なものの、ブラック病院と呼ばれても仕方のない体質を持った医療機関であると推測できるのです。

2. 具体性に乏しい求人を出す医療機関も注意する必要あり


医師求人の中には、給与額や診療体制、当直やオンコール、残業や出勤日数、休日等について、曖昧な表現をしているものがしばしば見られます。
こうした求人を出す医療機関も、転職先や就職先として積極的に検討すべき対象とはならないでしょう。

曖昧で具体性のない求人を出す医療機関は、それを公にできない理由があるのではないでしょうか。
当然、そう疑いながらリサーチを進める必要があります。
実際に採用した医師には過酷な勤務体制で働いてもらいたいが、それを求人に出すと応募者が現れないため、やむなく曖昧にするしかないと考えることもできるでしょう。

「詳細は面談にて」「当院の規定による」などの言葉を巧みに使い、具体的な言及を避ける裏には、何か表に出すことができない理由があると考えるべきであり、その一つにブラックな体質があるのではないかと推測することは、自衛のために非常に重要なこととなるはずです。

3. 業務内容に対して条件が良すぎる病院及びクリニックの危険性


条件や待遇等はしっかりと書かれているが、それが他の医療機関と比較しても非常に優遇厚遇されている求人にも気を付けなければいけません。

特に、

  • 同じ分野・領域であり、且つ、他の病院やクリニックよりも特別に業務内容や職務内容等が多い、もしくは複雑である
  • 特殊なスキルを有している必要がある
  • あるいは特別な役職に就ける人物を募集している

などではないにもかかわらず給与額が高い場合には、一度ブラック病院や似たような体質のある医療機関であることを疑うべきでしょう。

求人に提示されている給与額が極端に高い場合には、なぜそのような額を受け取ることができるのかを冷静に考え、見極める必要があります
規模の大きなクリニックであれば病院などの勤務医と比較しても年収額が高く設定されていることには、ある程度納得がいくでしょう。
自由診療を主に取り扱うクリニックであれば、なおさら高待遇を受けられる可能性が出てきます。

一方で、新しい医師を採用しても定着せず、短期間で辞めてしまう傾向のある医療機関は、医師を集めるために、また、長期間労働してもらうために高い報酬額を提示していることも珍しくはありません
その場合、なぜ新しく採用された医師が定着せずに短期間で辞めてしまうのかを考えなければならず、そこには長時間労働やパワハラなど過酷な労働環境が存在している可能性も否定はできないのです。

待遇と業務・職務内容のバランス、これを見極めることで、ブラック病院への応募を避けることができるのではないでしょうか。

もちろん、医師求人だけでブラック病院の全てが見極められるわけではありません。
いたって普通に思われる求人の中にも医師への扱いや経営体制に問題のある医療機関が存在していることも多々あり、求人のみでその全てを判断するのは困難でしょう。
上記に当てはまらない求人であっても、「ブラック病院かもしれない」という意識は常に忘れずに、それ以外の形で見極める努力もしなければいけません。

例えば、何度か医療機関へと足を運び自らの目で見学を行った上でチェックをするということも重要です
見学に行き、医師や看護師、患者などと接触することで感じ取れるものも多々あるはず。
病院やクリニックの雰囲気も掴めるでしょうし、求人よりもはるかに多く且つ濃い情報を手に入れることができるでしょう。

面接もブラック病院か否かを見極める重要な場となります
応募者であるこちらの話をどれだけ聞いてくれる姿勢を持っているか、特に条件交渉等に応じる姿勢を見せてくれるか否かでも、その医療機関の体制や体質が把握できるのではないでしょうか。

求人・見学・面接などからあらゆる情報を獲得し、また、転職サイトや転職エージェント、特に後者のスタッフであるキャリアコンサルタントからのアドバイス及びサポートなども助けとしながら、ブラック病院の見極め、また、そうした医療機関への入職の回避を行うよう心がけつつ転職活動を進めていかなければいけません。

医師の過労死やうつ病は他人事じゃない


既に述べてはいますが、労働環境の悪いブラック病院と呼ばれる医療機関へと転職・就職してしまった場合、それが原因で過労死してしまう最悪の状況も十分に考えられるでしょう。

過労死は避けられたとしても、うつ病を患ってしまうこともあれば、極度の過労から医療ミスへと繋がり、患者に対して取り返しのつかない行為を働いてしまうリスクもはらんでいます
それを避けるためには、やはり医師一人一人がブラック病院への入職を避ける意識を持っていなければいけません。

過労死寸前の労働を強いられていた医師の事例


ある関東の大学病院では、そこで働くおよそ2%の医師が過労死のリスクが高まるほどの残業を強いられ、更にそれを大幅に超える残業時間で働く医師もいたことが発覚しています

加えて問題だったのは、業手当に当たる賃金が未払いであったこと
このことが発覚したのちに未払いだった残業手当は無事に支払われましたが、ブラック病院は何も小さなところに限らず、大学病院でもそのような運営体質となりうる可能性がある点は知っておかなければいけません。
大学病院だからこそ、という声も聞こえてきそうですが、規模や歴史等では単純に判断できないことでもあると認識しておくべきでしょう。

幸い、この大学病院では医師の過労死という事態には至らなかったようですが、発覚が遅れていれば、あるいは最悪の事態を招いていたのではないでしょうか。
東京の某医療センターでも、過労死ラインを大幅に超える勤務時間を強いていたことが発覚しています。

表沙汰になる医療機関がこうして続々と出てくるということは、潜在的にはまだまだ似たような体質の病院やクリニックをはじめとした医療施設があると思っておかなければいけません。

まとめ


現在、勤務医の半分以上が過労死の危険があるのではないかという報告もあります

クリニックや診療所のような入院施設がない、もしくは病床数が少ない医療施設ではあまり見られないこのタイプのブラック病院ですが、残業や当直が当たり前のようにある病院ではこうした実態が全く改善されていないのも事実です。

一方で、クリニックや診療所ではパワハラや違法な診療行為などを行っているタイプのブラック病院がしばしば摘発されています。
もしうつ病、あるいは体調を崩すことがあればキャリアにも大きな穴が空きかねません。
復帰すら危ぶまれる事態も考えられます。

業界全体が優良企業ならぬ優良病院となる努力をし状況が改善するにはまだまだ時間がかかります。
そのためには、やはり、医師個人が職場を移る際に細心の注意を払いながら、転職及び就職活動を行うことが求められてくるでしょう

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